はじめに
近年、ニュースや新聞などで子供が自動車内に放置されるという事故をよく耳にするようになりました。
このような悲惨な事故が身の回りで起こらないように、私たちが出来る対応策について考えてみました。
- 車内に子供を放置する危険性
- 子供の車内放置の原因
- 子供の車内放置を防ぐために出来る事
子供を車内に放置するとなぜ危険?
JAFは、2012年8月に気温35℃の炎天下における条件の異なるミニバン5台の車内温度の推移を計測する「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)」実験を行なっています。
車内温度の変化をグラフにしたものが次の画像です。
エアコンをつけていない車は、約30分で車内温度が40℃を超え、さらにサンシェードや窓開けがない車では、車内温度が50℃以上となる事もわかります。
熱中症指数(WBGT)の推移実験では、同条件でエアコン停止から約15分で熱中症危険レベルに到達することがわかりました。
乳幼児は体温調整機能が未発達のため、車内温度の変化には気をつけなければいけません。
このことから、子供の車内放置が熱中症リスクを高める原因となることがわかります。
エアコンが作動している車でも、誤操作で車が動いてしまったり、燃料切れによるエンジン停止などの可能性があるので車内放置は厳禁です。
車の色でも車内温度の変化が全然違うんです。車を選ぶひとつの基準にもなりますね。
子供の車内放置の原因は?
事故を未然に防ぐための具体的な対策を考えるために、過去の事故をもとに「子供の車内放置の原因」を調べてみました。
子供の車内放置の主な原因は以下の通りでした。
- 遊戯施設や商業施設を利用するため
- 子供の降ろし忘れ
- 子供がキーロックしてしまった
- 育児放棄(ネグレクト)
原因① 遊戯施設や商業施設を利用するため
遊戯施設や商業施設の駐車場に停車した車内に子供を乗せたまま放置していたケースです。
当初は短時間のつもりでも、遊戯やアミューズメント・買い物に夢中になってしまい長時間の放置に至ってしまったというケースが見られました。
原因② 子供の降ろし忘れ
仕事の事や生活の事などの考え事や用事を済ませているうちに子供を降ろし忘れてしまい長時間放置となった事例もありました。
自動車内に子供が乗っている事を知らなかったという事例もあったようです。
原因③ キーロックしてしまった
大人が車の外に出ている時に、車内にいる子供やペットが誤ってキーロックをしてしまい車内閉じ込めとなってしまった事例も多かったです。
原因④ 育児放棄(ネグレクト)によるもの
保護者による育児放棄が原因で、車内に長時間放置されたケースもありました。児童虐待を伴う場合もあるため早期の対策が必要です。
子供の車内放置を防ぐために出来る事
車内に子供だけで乗車させない
車の中に子供だけしかいないという状況をつくってはいけません。
エアコンが作動していない場合は10分や15分の短時間の放置でも、熱中症のリスクが十分にあり危険です。
また、エアコンが作動していたとしても、誤操作や燃料切れでエアコンが止まってしまったり、車が動いてしまう可能性があります。
誘拐や車上荒らしなどの防犯上の危険もあるため、自動車を離れる場合には、例え短時間でも、子供が眠っていたとしても必ず子供と一緒に外に出るようにして下さい。
ひとりで車外に出てしまう可能性もあるので絶対にやめましょう。
駐車場では周囲の車内をチェック
自分たちの車以外に駐車している車が近くにある場合には、出来る限り周囲の車内に目を配るようにしましょう。そうすることで、子供の車内放置を発見する事ができるかもしれません。
車内を覗き込む必要はなく、運転席や助手席、後部座席に大人方が乗っていればもちろん問題ありません。
エンジンがかかっていない車内に子供だけで乗っているようであれば駐車場の管理会社や施設のスタッフに声をかけるだけでも大きな事故は防ぐ事が出来ると思います。
駐車場の車内はみんなでチェックする
日頃からご近所さんとコミュニケーションをとる
普段から近所の人たちと挨拶や世間話をしていると、自分たちに何歳くらいの子供がいるのかという情報はご近所さん達は受け取ってくます。
万が一、子供が車内に取り残されていた場合、近隣住民の複数の目が危険にさらされている子供を救ってくれるかもしれません。
車内に残されていることを忘れてしまっていた、あるいは知らなかったという原因の対策としてとても有効だと思います。
ご近所さんとの情報交換が大切
ICTを活用する
パパやママも人間である以上、物事を忘れてしまったり、思い込みで行動をしてしまうこともありますよね。
時に重大な事故が発生する医療の世界においても、医療事故の多くはヒューマンエラー(人の手によって起きてしまう事故)が中心であるといわれています。
コンピューターやスマホ・タブレットをはじめとしたICT(Information and Communication Technology)技術を活用していくことが、ヒューマンエラーを無くし、車内放置だけに限らず未来の様々なリスクから子供達を守ることにつながっていくと考えます。
保育園・幼稚園向けICTサービスCoDMON(コドモン)などが導入されているか?という点も、今後の保育園選びの条件のひとつに含めていただければと思います。
保育園・幼稚園向けICTサービスCoDMON(コドモン)
CoDMONはスマホで先生と連絡帳のやりとりができたり、入退室の通知が受け取れるので本当に便利で安心です。
子供に危険を知らせる方法を教える
子供が言葉を理解出来る年齢になったら、身の危険を知らせる方法を教育しておくということも重大な事故を防ぐために私たちが出来る事です。
クラクションやハザードランプはエンジンがかかっていない車でも作動するので、クラクションを鳴らしたりハザードランプを点滅させて周囲に危険を知らせる方法を教えておくようにしましょう。
万が一の時の対応を子供にたくさん教えておこうと思います。
クラクションとハザードランプの使い方を教えよう
子供の異変を感じたらすぐに通報
父親、母親の育児放棄による重大な事故につながらないようにするために、周囲の子供たちの異変を常に感じ取れるようにアンテナを張っておくことがとても大切です。
もし「児童虐待かも?」と感じる事があれば、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」へ通報をお願いします。
児童相談所虐待対応ダイヤル「189」は通話料無料です。
まとめ
- エアコンをつけていない車は約30分で車内温度が40℃を超える
- サンシェードや窓開けがない車では、車内温度が50℃以上となる事もある
- エアコン停止から約15分で熱中症危険レベルに到達する
- 遊戯施設や商業施設を利用するため
- 子供の降ろし忘れ
- キーロックによる車内閉じ込め
- 育児放棄(ネグレクト)によるもの
- 車内に子供だけで乗車させない
- 駐車場では周囲の車内をチェック
- ご近所さんとコミュニケーションをとる
- ICTを活用する
- 子供に危険を知らせる方法を教える
- 子供の異変を感じたらすぐに通報する
終わりに
子供の車内放置の危険性と原因と、私たちに出来る対応策を考察してきました。
私たちが出来る対策はとても小さな事ばかりです。しかし、みんなで取り組めば子供たちの安全を守る大きな力になるはずと信じています。
この記事が少しでも皆さんの役に立てば幸いです。
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